交響曲第40番 (Wolfgang Amadeus Mozart)
カール・ベーム指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の、1979年ザルツブルグ音楽祭のコンサート。
私が若い頃(10代)の、ベームの印象は一言で言って「遅い」。指揮者も例えば運命を(リピート付きで)30分以下で振ってしまうようなカルロス・クライバーを好んで聞いていたり。作曲家もベートーベンやチャイコフスキーやベルリオーズなど、「すごい」交響曲を好んで聴いていたり。ベームを聴くのはなんとなく悪い言葉で言えば「おっさん臭い」と思っていたし、このモーツァルトの40番も、ちゃんとしたオーケストラで聴くより生福の「内容の無い音楽会」のパンクバージョンを聴くことが多かったり(笑)。
でも今ベームとウィーンフィルの「ゆっくりとした」モーツァルトを聴いて、この体の全身から静かにしみ込んでくるような心地よさはなんだろう。体全体が心地よくしびれて、そのあとフワっと浮くような、たまらない幸福感。「おっさん」になったのかもしれない。でも、この年齢になって始めて知る人生の幸福を一つ手に入れたんだと、自分では思っている。