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2006年09月07日
死ぬな。
しばらく日記を書かないでいた間、しかしひとつ気になっていた事件があった。毎日、いや毎時間と言ってもいい、ニュースサイトでその報道をチェックしていた事件があった。徳山工業高等専門学校の研究室で学生が殺された事件だ。同じく研究室で学生を預かっている者として、全く人ごととは思えなかった。そして同じ研究室の学生が犯人ではないかという報道を聞き、さらにショックを受けていた。同じ研究室の仲間を殺すなんてそんなことが起こるのか?いったいなぜ?! とにかくその男子学生が出て来て、何が起こったのかが一日も早く明らかになって欲しいと思っていたが、事態は最悪の結末を迎えつつある。
何が最悪かって、まず2人もの若者が死んでしまったことだ。私の研究室でこんなことが起こったら、きっと耐えられない。彼らはエンジニアの卵。人生の中でもっとも頭の回転が速く、体力もあり、そして魅力的な年齢で、なぜ死んでしまうのか。それだけで、本当に、涙が出るくらい悲しい。
そしてもう一つ最悪なのは、いったいその日に何が起こったのかを知ることが困難になったこと。この次に来るべき報道をひたすら待っていた大学や高専の教員は私の他にもたくさん居るはずだ。どうして「研究室」という、友達よりも家族に近い仲間の中でそんなことが起こったのか、私の学生を犠牲にしないために何ができるのか、知りたかった。なのに逃げた学生は口を閉ざしたまま死んでしまった。明らかにすることが責任だとか、罪の償いとか言ってるんじゃない。ただただ、教えてほしかった。
私が20代の時もそうだったかもしれない。しかし今それから20年経って今の学生を見て思うことは、彼らは数学やコンピュータは出来るかも知れないし、最先端の流行にも詳しいかも知れない。でも彼らは、自分が「生きている」こととか、生きている意味とか、自分が生きている時代とか、自分が死ぬまでに何をするのかとか、家族のことといったことについて、考える時間が少なすぎるんじゃないか、ということ。先にも書いたけど、20代は生物としての人間の機能はもうピークを迎えている。だからその時期に是非、考えてほしい。そうしたら、ちょっとやそっとのことで他人の命を奪ったり、自分の命を捨てたりできないはず。
お願い。死なないで。